「初学 放射線物理学 ワークブック」検索番号 A12 の穴埋め解答例と解説です。
先に自分で穴を埋めてみてからの答え合わせでも良いですし、解答例を写してから覚えていっても良いです。ご自分に合ったスタイルで取り組んでください。
さっそく解答例

解説
核子や核種など新しい用語も出てきましたね。
それぞれ見ていきましょう。
核子
核子(カクシ)とは原子核を構成する粒子の総称です。
具体的には、陽子と中性子ですので、こう表現することもできます。
陽子と中性子を合わせて核子という。
ここで気になるのが、陽子や中性子を構成するクォークは核子なのか?というところ。
クォークは核子とは言いませんのでご注意ください。
核種
原子核内の核子の構成によって分類されたものを核種(カクシュ)と言います。
核種は同じ元素でも(原子番号が同じでも)質量数が異なれば、別物扱いします。
たとえば 1H と 2H のように。
このように核種で考えるとこんな種類があります。
- 同位体
- 同中性子体
- 同重体
- 核異性体
それぞれ見ていきましょう。
同位体

同位体は別名「同位元素」ともいいます。
放射線を放出する核種の場合、「放射線同位元素」でRI(Radio Isotope)となります。
同位体は、お互いに原子番号が同じで、質量数が異なるもの同士です。
元素記号が同じなのが目印ですね。
一番わかりやすい組み合わせです。
同中性子体

同中性子体はお互いに中性子数が同じで、原子番号と質量数が異なるもの同士です。
判別するには質量数から原子番号を引くという計算が入りますので、パッと見で分からないくせ者です。
同重体

同重体は質量数が同じで、原子番号と中性子数が異なるもの同士です。
原子番号が違うので、元素記号が異なりますが、質量数が等しいので判別に迷うことは少ないと思います。
同重体の仲間には特別なバージョンがあります。

同重体の中でも、お互いに陽子数と中性子数が入れ替わったものがあります。
入れ替わっただけですから、質量数に変化はありません。
高原子番号になると、中性子数の方が多くなりますので、鏡像体は必然的に低原子番号に多く見られる組合せとなります。
核異性体

核異性体は原子番号も中性子数も質量数も同じで、原子核のエネルギー準位だけが異なるもの同士です。
実際の過去問も見てみよう。

この出題は第67回の国家試験で放射化学として出題されたものです。
しかも午前の1問目です。
つまり、問題冊子を開いて、まず目にするのがこの問題です。
1問目が解けるとその後も「解ける!」と思って好循環になりますから、正解したい問題ですね。
ちなみに、放物の問題ではないですが、原子核の構造という内容ですから、取り上げてみました。
答えは分かりましたか?
答を確認する。
答えは 5 です。
- 同位体は原子番号が同一であるもの。
- 同中性子体は陽子数が異なり、中性子数が同一なもの。
- 放射性同位体は同一の元素の核種で質量数が異なるもののうち、放射性であるもの。
- 同重体は質量数が同一なもの。放射性であるかどうかは問わない。
- OK
まとめ

放物というよりは放射化学での出題が多いですが、核種の種類・分類分けの問題は解けるようにしておきましょう。
主任者でも出ます。
こちらもぜひ
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