A17 質量欠損と結合エネルギーの計算

 「初学 放射線物理学 ワークブック」検索番号 A17 の穴埋め解答例と解説です。
 先に自分で穴を埋めてみてからの答え合わせでも良いですし、解答例を写してから覚えていっても良いです。ご自分に合ったスタイルで取り組んでください。

さっそく解答例

ワークブック A17の解答例 

解説

落ち着いて取り組めば、中学生でもできる計算問題です。
やっかいなのは、桁数が異常に多いところ・・・

こちらの記事でご紹介した「バラバラのときの質量の合計からくっついたときの質量を引く」ことを利用していきます。

A15 原子核の結合エネルギーと質量欠損

ここは解説というより、実際の国試問題を解いてみた方が分かりやすいかと思います。

実際の問題を見ていきましょう。

国試 第51回 問14改

いかがでしょうか?

国試の問題自体はここまでですが、続きとして、12Cの質量欠損をエネルギーに換算した場合は何MeVになるかも求めてみましょう。
定義をしっかりと覚えていれば、12Cの統一原子質量は分かりますよね?
当然12Daでしたよね。
もう一つ、1Daをエネルギーに換算すると931.5MeVでしたね。

うっかり忘れてしまった方は「A14」をCheckです。

A14 タイトル
解答を確認する。

答えは 3 です。
それをエネルギーに換算すると、 92.22MeV となります。

解説

陽子、中性子、電子の質量を足します。
1.0073+1.0087+0.0005=2.0165 Da

それぞれ6個ずつありますから、質量の合計は
2.0165×6=12.099 Da

12Cの質量は12Daと決まっていますので、その質量欠損⊿Mは
⊿M=12.099-12
=0.099 Da となります。

0.099DaをエネルギーEに換算するには931.5を乗じます。
E=0.99×931.5=92.22 MeV となります。

まとめ

管理人
管理人

小数点以下の計算が実が手な方は何度も練習してください。
計算自体は簡単です。

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By H.Tanaka

1984年生まれの放射線技師です。 放射線技師養成校で核医学・物理・電気の講義を担当しています。 放射線技師の割に、不思議なことに現場科目より基礎科目の方を多く持っています。そのせいか、学生からは技師じゃないと思われている節があります。 専門知識よりは、学生が理解しやすい表現を心がけています。

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