「初学 放射線物理学 ワークブック」検索番号 A7 の穴埋め解答例と解説です。
先に自分で穴を埋めてみてからの答え合わせでも良いですし、解答例を写してから覚えていっても良いです。ご自分に合ったスタイルで取り組んでください。
さっそく解答例

解説
ここのポイントは電流による磁界とローレンツ力ですね。
電流によって磁界ができる?

ネジを回したことはありますか?
日本のほとんどのネジは時計回りに回していくと締まっていく「右ねじ」と言われるものです。
例外(左ネジ)としては自転車の左ペダルくらいでしょうか。
右ねじを締めていったときにネジが動いていく方向が「電流の向き」です。
締めるときに回す方向が発生する「磁界の向き」となります。
このような法則を「アンペール右ねじの法則」といいます。
電流の流れる向きを表す記号

電流の流れる方向は、弓矢の矢が放たれたときの見え方で表されます。
電流が流れていく方向では、矢が飛んで来るように見えます。
つまり、矢じりの先端が見えます。
逆に電流が流れてきた方向では、矢を飛ばしたように見えます。
つまり、矢羽根が見えます。
弓道を嗜んだことがある方にはイメージがしやすかったのではないでしょうか。
※電流の流れてきた方向では、「四立羽」をイメージしてください。
一様な磁場の中を電流が流れると・・・

下から上に向かって一様な磁場が発生している状況です。「一様な」というのは偏りがないという意味で、磁場の密度が均一な状況とも言えます。
そんな磁場中に電流が流れます。図では、手前から奥に向かって流れています(図中の✕〇印)。
すると、電流はアンペール右ねじの法則に従い、磁場を作り出します。一様な磁場と電流による磁場を足し合わせて考えていきます。
図のアの部分では、下から上に一様な磁場。なおかつ、電流による磁場も下から上の向きです。
つまりアの部分では2つの磁場の向きが揃っていて、磁場を強め合っています。
図のイの部分では、下から上に一様な磁場。そこに電流による磁場が上から下の向きで発生しています。
つまりイの部分では2つの磁場の向きが反対となり、磁場を弱め合っています。
その結果、アでは磁場密度が高くなり、イでは磁場密度が低くなります。そして、電流はイの方向に力を受けることになります。
受ける力はローレンツ力
イの方向に受ける力Fをローレンツ力といいます。
一様磁場Bの中をqという電荷が速度vで進むと、ローレンツ力Fはこうなる。

ローレンツ力は必ず覚えておきましょう。
サイクロトロンの式変形の問題では必ず使う知識です。
A6 円運動の基本で出てきた遠心力とローレンツ力は等しくなります。
※詳しくは加速器でやりましょう。
まとめ
・一様な磁場の中での電流は、磁場を弱めたり強めたりします。
・ローレンツ力は並び順を変えてvBq(バーベキュー)で覚えちゃいましょう。
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