物理って、やたらと記号とか数字が出てきますよね。
しかも「m」やら「μ」やら、見たことはあるけど意味がよくわからない単位も多い。
「1μsって何秒なの?」
「この数字、大きいの? 小さいの?」
最初のうちは、そんな疑問で頭がいっぱいになると思います。
でも、そう感じるのはごく自然なこと。
実は、物理の数字を読むには「単位」と「接頭語」っていう“ルール”をちゃんと知っておく必要があるんです。
この記事では、まず覚えておきたい7つのSI基本単位や、数字のケタを表す接頭語の仕組み、
さらに、よく登場する物理定数もあわせて紹介していきます。
一度わかってしまえば、「数字の意味」がちゃんと見えてくるようになりますよ。
物理の読み方を身につける最初の一歩、いっしょに始めていきましょう。
そもそも「単位」ってなに?なんで必要なの?
物理を学びはじめると、最初に出会うのが「m(メートル)」や「s(秒)」のような単位です。
見慣れた記号もあれば、初めて見るものもあって、混乱する人も多いかもしれません。
でも、単位は物理にとって「前提のことば」。
この意味がわかってくると、数字の読み方もずっとスムーズになります。
とっても大事なものなんですね。

単位は「ものさし」のルール
単位とは、数字に「何を測っているのか」を伝えるためのルールです。
たとえば「3」だけでは、その数字が時間なのか、長さなのか、重さなのか分かりませんよね?
でも「3秒」や「3メートル」と表せば、その数字が何を示しているのか、誰にでも伝わるようになります。
このように、単位は数字に意味を持たせる「ものさし」のような存在なんです。
数字を読むには「基準」がいる
「単位があるおかげで意味がわかる」──これは日常の中でもよくあることです。
たとえば、「このコップ、2大きいよ」と言われても、何のことかピンときませんよね。
でも「このコップ、2センチメートル大きいよ」と言われれば、どれくらいのサイズかがちゃんと伝わります。
これは「センチメートル」という共通の単位があるからこそ、数字に意味が出てくるということなんです。
物理の世界でも同じで、単位があることで、数字が共通の意味を持つようになります。
そして、そうした単位の基準を国際的に統一したものが「SI単位」と呼ばれるものです。
次のセクションでは、このSI単位のなかでも特に重要な「SI基本単位」について見ていきましょう。
単位なんて意識したことないわ~


単位がないと正確に伝わらないんだ。
だから単位はすごく大事なんだ。
まず覚えるべき「SI基本単位」7種類
物理で扱う単位はたくさんありますが、その土台となるのがSI基本単位です。
これは「この7つを基準に、ほかのすべての単位が組み立てられている」という、いわば“単位の基礎ブロック”のような存在です。
まずはこの7種類をしっかり押さえておくことで、物理の数字に対する理解がぐっと深まります。
SI基本単位とは?
私たちが普段使っている「m(メートル)」や「kg(キログラム)」などの単位は、
国際的に定められたSI単位系(国際単位系)というルールに基づいています。
このSI単位系の中でも、特に基本となる7つの単位をSI基本単位と呼びます。
長さや時間、質量、電流といった「最も根本的な量」を、それぞれ1つの単位で定めたものです。
SI基本単位をもとに、他のすべての単位(ニュートン、ジュール、ボルトなど)が定義されていきます。
つまり、これを理解することは、物理の公用語を知ることに等しいんですね。
単位の素っちゅうこっちゃな。

7種類の単位とその意味
では実際に、その7つの基本単位を一覧にしてみましょう。
それぞれが、どんな量を測るためのものかもあわせて確認しておきましょう。
| 量の種類(物理量) | 単位記号 | 単位名(読み) |
|---|---|---|
| 長さ | m | メートル |
| 質量 | kg | キログラム |
| 時間 | s | 秒 |
| 電流 | A | アンペア |
| 熱力学温度 | K | ケルビン |
| 物質量 | mol | モル |
| 光度 | cd | カンデラ |
この表の内容は、物理や放射線を学ぶうえで何度も登場します。
たとえば「速度」は m/s、「力」は kg·m/s2 のように、基本単位を組み合わせることで別の単位が作られていることに気づくはずです。
そして注意したいのが、「kg」が基本単位であるという点です。
「g(グラム)」ではなく「kg(キログラム)」がSIの基準なのは、あとで接頭語を学ぶときにも重要になってきますよ。
次は、いよいよその「接頭語(ミリ・マイクロなど)」の仕組みを見ていきましょう。
「ミリ」「マイクロ」って何?接頭語の仕組み
単位には「m(メートル)」や「s(秒)」などの基準がありました。
でも実際の現場では、もっと大きい量や、もっと小さい量を扱うことも多くなります。
そんなときに使われるのが「ミリ(m)」や「マイクロ(μ)」などの接頭語(プレフィックス)です。
これは単位の前につけて「10の何乗倍か」を表す記号で、数字の大きさを読みやすくするための仕組みです。
この章では、接頭語のルールや覚え方、そして混乱しやすいポイントについて見ていきましょう。
接頭語のルール(10の何乗か)
たとえば「1ミリメートル(1 mm)」は、1メートルの1/1000を表します。
これは「ミリ(m)」という接頭語が「10の−3乗(0.001倍や$\frac{1}{1000}$倍)」を意味するからです。
| 記号 | 倍数 | 読み |
|---|---|---|
| P | 1015 | ペタ |
| T | 1012 | テラ |
| G | 109 | ギガ |
| M | 106 | メガ |
| k | 103 | キロ |
| h | 102 | ヘクト |
| da | 101 | デカ |
| d | 10−1 | デシ |
| c | 10−2 | センチ |
| m | 10−3 | ミリ |
| μ | 10−6 | マイクロ |
| n | 10−9 | ナノ |
| p | 10−12 | ピコ |
| f | 10−15 | フェムト |
同じように「マイクロ(μ)」は「10の−6乗」、「ナノ(n)」は「10の−9乗」。
逆に「キロ(k)」は「10の3乗(1000倍)」です。
つまり、接頭語とは「単位の大きさを変える倍率」のようなもので、それぞれに対応する10の何乗かが決まっています。
いつも p が -9 乗なのか -12 乗なのかで迷うんですよ。


私は nine の n って覚えてるよ。
それで -9 乗ってリンクさせてる。
よく出る接頭語とその読み方
実際によく使われる接頭語を、次の表にまとめました。
読み方も合わせて覚えておくと、実際の読み取りがスムーズになります。
上のような接頭語は、放射線の分野でも頻出です。
とくに「μ(マイクロ)」や「n(ナノ)」は、小さな量を扱うときによく登場します。
小さい数字ほど、混乱しやすい
接頭語の中でも、小さい桁の数字ほど混乱しやすい傾向があります。
たとえば「1 mGy(ミリグレイ)」と「1 μGy(マイクログレイ)」では、1000倍の差があります。
しかも、「m」は「ミリ」、「M」は「メガ」で大文字と小文字で意味が真逆だったり、
「μ」は記号として見慣れないため、うっかり読み飛ばしてしまうこともあります。
だからこそ、接頭語は「なんとなく」ではなく、正確に読み取れる力を身につけておくことが大切です。
紛らわしいわ~


そうなんだよ。
なんとなくで読んでしまうと間違えちゃうからね。
科学の数字に出てくる「定数」たちを紹介
物理の公式や問題の中には、最初から「決まった数字」として登場するものがあります。
たとえば「光の速さは 3.0×108 m/s」や「電子の質量は 9.1×10-31 kg」など。
これらは、物理の世界で使われる「定数」です。
定数とは、「どんな状況でも変わらない、決まった値」のこと。
物理法則を使ううえで、必ずと言っていいほど登場します。
ここでは、代表的な定数5つを紹介しておきましょう。
光速・電子質量・アボガドロ定数って?
まずは、物理の問題によく登場する定数を表にまとめてみます。
見慣れない記号もあるかもしれませんが、「こういう名前・記号・値で出てくるんだな」と思ってもらえればOKです。
| 物理量 | 記号 | 数値 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 真空中の光速 | c₀ | 3.0 × 108 | m/s |
| 電子の質量 | mₑ または m₀ | 9.1 × 10−31 | kg |
| アボガドロ定数 | Nₐ | 6.0 × 1023 | 1/mol |
| 電気素量(素電荷) | e | 1.6 × 10−19 | C |
| プランク定数 | h | 6.6 × 10−34 | J·s |
この表の数値は、すべてSI単位に基づいた表現になっています。
つまり、これまで学んできた「単位」や「接頭語」と直結しているということです。
プランク定数が単位に与える意味
上の表の中でも、特に注目しておきたいのが**プランク定数(h)**です。
これは量子力学の世界で重要な定数で、「エネルギー」と「振動数」を結びつける関係式に登場します。
有名な式で表すと、次のようになります。
$$
\pmb{
E=hν
}$$
(エネルギー E は、振動数 $ν$ にプランク定数 h をかけたもの。)
この式の単位を見てみると、
エネルギー(E)はジュール(J)、振動数(ν)は1/sなので、
プランク定数の単位は J·s(ジュール秒)になります。
単位の意味をちゃんと理解していると、こうした公式の「単位のつじつま」も自然と見えてくるようになります。
つまり、物理定数を学ぶこともまた、「単位の読み方を鍛える」ことにつながっているんですね。

この単位の考え方がすごく大事なんじゃ。
実際の問題を見ていきましょう
第61回(2009年)に出題された問題をご紹介しましょう。
第61回 2009年 問41
量と単位の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
- 断面積 $\mathrm{m^{-2}}$
- フルエンス率 $\mathrm{m^2s^{-1}}$
- 放射線化学収率 $\mathrm{mol\,s^{-1}}$
- エネルギーフルエンス率 $\mathrm{Jm^2 s^{-1}}$
- 質量エネルギー転移係数 $\mathrm{m^2 kg^{-1}}$
解答を確認する。
答えは 3と5 です。
聞きなれない単位が多いですね。おいおい覚えていきましょう。
ただ、さすがにこのセンテンスレベル(超基礎知識レベル)の単純な出題は見つかりませんでした。
少し難しいかもしれませんが、実際はこういったレベルで出題されますので、ご参考までに。
- 断面積は「面積」とありますので、単位は m2 です。
- フルエンスは「単位面積あたり」、率は「単位時間当たり」の意味があります。
したがって、フルエンス率の単位は 1/m2s となります。 - 正しいです。覚えましょう。
- エネルギーフルエンス率は枝2を参考にして考えてみて下さい。
フルエンス率が 1/m2s でしたから、エネルギーフルエンス率は J/m2s となります。
意味合い的には、「単位時間あたりに単位面積を通過するエネルギー」といった感じですね。 - 正しいです。覚えましょう。
注意点としては、名称に「エネルギー」とありますが、単位の中に「J」や「eV」が出てこないところです。
医療現場でこの知識がどう役立つの?

医療の現場では、SI単位や接頭語の知識がなぜ必要なのでしょうか?
たとえば、CT装置で表示される「線量」には「mGy(ミリグレイ)」や「mSv(ミリシーベルト)」といった単位が使われています。
この「m」という接頭語が「10の−3乗」、つまり1/1000を意味することを知らなければ、数値の意味を正しく読み取ることができません。
また、撮影条件によっては「μSv(マイクロシーベルト)」のようなさらに小さな単位で表されることもあります。
接頭語の大小がわかっていれば、「μはmよりさらに小さい単位だな」とすぐに判断でき、数値の感覚も正しくつかめます。
こうした数字の桁を読み間違えない力は、日々の業務でも意外と重要です。
単位の知識は、装置の値を正確に理解し、患者さんの被ばく管理や記録にも役立っているのです。
まとめ
今回の記事では、物理の数字を読み解くための基礎として、
- 「SI基本単位」7種類
- 「接頭語(ミリ・マイクロなど)」の意味と仕組み
- そして「物理定数(光速や電子質量など)」の存在
を確認しました。
どれも、数字の「単位」が何を意味するかを正しく理解するための土台となる知識です。
これらを身につけておくことで、今後の学習がグッとわかりやすくなっていきます。

単位って地味だけど、物理の「ことば」みたいなものなんだよね。
ちゃんと読めるようになると、世界が少しクリアに見えてきますよ。
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